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ウェーン!
「 コラーっ! 弱いものいじめはやめなさーい!」
ワーン!
「 もう大丈夫よ。行きましょう 」
「 おねーちゃん、ありがとう 」
「 やれやれ・・・、小さい子の面倒を見るのはいいけど、
いじめっこを泣かすとは、我が娘ながらちょっと気が強すぎるなぁ・・
陰からこの様子を見ていたおとうさんがつぶやきました。
「 ダースベイダー! 覚悟―っ!」
「 フォーッ! パー!」
「 あー、おもしろかった! スターウォーズごっこ!」
「 キャーッ! だ、誰かお助けくださいませー!」
「 おやっ!?」
「 キャーッ!」
「 エィッ!」
「 女剣士モモコ殿、姫を助けてくれとか、礼を言いますぞ」
「 困っている人を助けるのは剣士の務め、当然のことをしただけです 」
「 モモコ殿、わが屋敷にしてゆるりと休息なされよ 」
「 はい、ありがとうございます 」
「 モモコ殿、姫の危急を救ってくれたとか・・・・。 わたくしからも礼を言いますぞ 」
「 お礼に茶を一服進ぜましょう。 ささっ、どうぞ」
「 は、はぁ・・・・」
茶道の作法を知らないモモコちゃんは、どうしていいのかわかりませんでした。
「 ホッホッホッホッホッ。 ただ強いだけでは男の剣士と変わらぬ。
おなごのやさしさがあってこその女剣士であろう。
細かな作法など気にせず、感謝の気持を持って飲めば、それでよろしい 」
「 ご老女さま、ご教授ありがとうございます。 では、いただきます 」
「 キャー! また蟲の襲来ですーっ!」
「 ここはおまかせください。姫をはやく安全なところへ!」
エィッ! ヤーッ!
「 おーい、モモコ。
いつまでも寝てないで、早く起きて手伝ってくれーっ!
おかあさんの形見のひな人形を飾るんだ 」
「 おとうさん、ダメだなー。防虫剤がなくなってるよ 」
「 あれっ!? 虫がバラバラになって死んでるよ。まるで切り刻まれたみたいだね」
「・・・・・・・・・」
― おしまい ―